経営管理ビザから永住権を取得する条件
経営管理ビザから永住権(永住許可)を取得するには、原則として日本に引き続き10年以上在留し、そのうち就労資格または居住資格での在留が5年以上あることが目安です。あわせて、独立して生計を営めること(安定した収入)、納税・年金・社会保険などの公的義務を適切に履行していること、現在認められている最長の在留期間(2027年3月31日までの申請では在留期間「3年」も最長として扱われます)を保持していることが求められます。経営者の場合は、事業の継続性と適切な納税の積み重ねが特に重視されます。高度専門職などの特例に該当すれば、在留年数が1〜3年に短縮される可能性もあります。なお、2026年10月1日に「永住許可に関するガイドライン」が改定され、申請日によって世帯年収・年金・日本語能力などの扱いが変わります(改定の要点)。個別の見込みは無料相談でご案内します。
永住の準備度チェック
永住に向けた準備チェック
永住許可で重視される代表的な項目です(目安)。
※要件・年数は個別事情により異なります。詳しくは無料相談で。
永住許可の主な要件
永住許可(入管法第22条)は、素行善良要件・独立生計要件・国益要件の3つを満たすことが必要です(出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」)。経営管理ビザの経営者も例外ではありません。
① 素行善良要件
法律を守り、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
② 独立生計要件
公共の負担にならず、将来にわたり安定した生活が見込まれること。原則として同一生計の世帯単位で審査され、申請日によっては世帯年収や将来の年金見込額も考慮されます(下記)。経営者は役員報酬の安定が重視されます。
③ 国益要件(在留10年以上など)
原則として引き続き10年以上在留し、うち就労資格または居住資格で5年以上在留していること。納税・年金・社会保険などの公的義務や届出義務を適切に履行し、現在の在留資格で最長の在留期間を保持していること(2027年3月31日までの申請では在留期間「3年」も最長として扱われます)など。
要件の前提として、現在の経営管理ビザを安定して維持し更新を重ねていることが土台になります。更新で見られる点は更新の条件・必要書類もあわせてご確認ください。
永住許可ガイドラインの改定(2026年10月1日)で変わること
出入国在留管理庁は、2026年10月1日に「永住許可に関するガイドライン」を改定しました。改定後のガイドラインは2027年4月1日以降の申請から適用されますが、収入に関する部分(世帯年収・公共の負担)は2026年4月1日から2027年3月31日までの申請にも適用されます。どのガイドラインが適用されるかは、永住を申請する日で決まります。
| 申請日 | 適用されるガイドライン |
|---|---|
| 〜2026/3/31 | 改定前のガイドライン(2026年2月24日改訂) |
| 2026/4/1〜2027/3/31 | 改定前のガイドライン。ただし収入に関する部分(世帯年収・公共の負担)は改定後のガイドラインを適用 |
| 2027/4/1〜 | 改定後のガイドライン(2026年10月1日改定) |
経営管理ビザの経営者に関係の深い主な変更点は次のとおりです。
- 世帯年収(2026年4月1日以降の申請):原則として同一生計の世帯単位で、世帯年収が世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが考慮されます。「家族滞在」など就労を目的としない在留資格で在留する家族の収入は、世帯年収に合算されません。申請者が扶養する親族は、国外に住んでいて同居していなくても世帯人数に加算されます。
- 将来の年金見込額(2027年4月1日以降の申請):これまでの年金の加入状況などから推計した将来の年金見込額が、日本人世帯の平均収入を上回る年収水準(上記)で30年間働き厚生年金に加入していた場合の見込額に達しているかが考慮されます。不足する場合も、申請時の年齢に応じた金融資産(補填資産)があれば、達しているものと評価されます。配偶者がいる場合は夫婦の見込額を合算し、基準額にも配偶者分が加算されます。
- 日本語能力(2027年4月1日以降の申請):「日本語教育の参照枠」のB1相当以上の日本語能力があるかが考慮されます(高度人材外国人やその家族、日本で初等・中等教育を通算6年以上受けた方などを除く)。経営管理ビザの日本語要件(申請者または常勤職員のいずれかがB2相当)と異なり、申請者本人の能力が対象です。
- 日本の制度・ルールの理解(2027年4月1日以降の申請):「生活・就労ガイドブック」の内容を中心に、出入国在留管理庁長官が指定する方法で確認され、理解が一定水準以上に達しているかが考慮されます。
- 長期の出国(2027年4月1日以降の申請):申請前10年以内に、合理的な理由なく1回の出国で半年以上、または通算2年6か月以上日本を離れていた場合は、原則として消極的に評価されます。
- 在留期間「3年」の扱い:2027年3月31日までの申請では、在留期間「3年」も最長の在留期間として扱われます。2027年4月1日以降は、同年3月31日時点で在留期間「3年」を持つ方が2027年4月1日以降に行う初回の永住許可申請で、かつその「3年」の在留期限までに結果が出る場合に限り、同様に扱われます。
年収水準や補填資産の具体的な金額は、ガイドライン本文には示されていません。役員報酬の水準は世帯年収と年金見込額の両方に影響し、海外出張や本国での業務が多い経営者は出国期間にも注意が必要です。申請時期を含めた見通しは無料相談でご確認ください(出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」「永住許可(入管法第22条)」)。
経営者が永住申請で特に注意したいこと
経営管理ビザの経営者は、会社の状況と個人の状況の両方が審査対象になるため、次の点に注意が必要です。
事業の継続性・安定性
単年度の赤字が直ちに不許可となるわけではありませんが、事業が継続し収益基盤が安定していることが望まれます。
会社と個人の納税・社会保険
法人税・消費税などの会社の納税に加え、申請人本人の所得税・住民税、年金・健康保険の適切な納付が重視されます。納付の遅延・未納はマイナス評価につながります。
安定した役員報酬
会社の利益を内部留保しすぎて本人の報酬が低い場合、独立生計要件で不利になることがあります。役員報酬の水準は世帯年収に加え、2027年4月1日以降の申請で考慮される将来の年金見込額(厚生年金の加入状況)にも影響するため、報酬設計は早めに整えておくと安心です。
在留年数を短縮できる特例
一定の要件を満たす場合、原則10年の在留年数が短縮されることがあります。代表的なのが高度専門職の制度で、ポイント計算で70点以上なら3年、80点以上なら1年の在留で永住申請が可能になる場合があります。経営者でも高度専門職(経営・管理分野)に該当すれば対象となり得るため、自身の経歴・年収・学歴で要件を満たすか確認する価値があります。
また、日本人・永住者・特別永住者の配偶者の特例は、改定後のガイドライン(2027年4月1日以降の申請に適用)では「実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上日本に在留していること」となり、改定前(婚姻3年以上・在留1年以上)より長くなります。
ただし、2025年10月16日施行の改正後の許可基準に適合していない場合、「経営・管理」からの永住許可、および経営・管理活動を前提とする「高度専門職1号ハ」「高度専門職2号」からの永住許可は認められないと、出入国在留管理庁が公表しています。永住を目指す方は、新基準に適合していることが前提になります。
永住申請の進め方
永住は経営管理ビザの申請の流れとは別の手続きで、出入国在留管理庁の公表(令和8年7月許可分)では、永住許可の平均処理期間は310.2日です(月ごとに変動します)。永住許可の手数料は、2026年10月1日以降の申請から200,000円です。在留期限が近い場合は、永住の結果を待つ間に経営管理ビザの更新が必要になることもあります。2025年10月16日の制度改正で要件が変わった点(出資総額3,000万円以上・常勤職員1名以上・日本語N2/CEFR B2相当・事業計画書の専門家確認など)は、更新だけでなく永住許可の審査にも関係します。詳しくは2025年改正と3年経過措置をご覧ください。
よくある質問
経営管理ビザから永住権は何年で取得できますか?
原則として日本に引き続き10年以上在留し、そのうち就労資格(経営・管理など)または居住資格での在留が5年以上あることが目安です。高度専門職などの特例に該当する場合は、1年〜3年に短縮される可能性があります。
経営者・会社経営でも永住は取得できますか?
取得できます。経営管理ビザで在留する経営者も、在留年数・独立生計・公的義務の履行・現在の最長在留期間の保持といった要件を満たせば永住申請が可能です。2025年10月16日の改正後は、改正後の許可基準に適合していることも前提になります。事業の継続性と適切な納税の積み重ねが特に重視されます。
会社が赤字でも永住は申請できますか?
単年度の赤字が直ちに不許可になるわけではありませんが、永住では独立して生計を営めること(安定した収入)が重視されます。役員報酬を含めた本人の所得が安定し、納税・社会保険が適切に履行されているかが審査されます。
永住申請中も経営管理ビザの更新は必要ですか?
永住許可が下りるまでは現在の経営管理ビザを維持する必要があり、在留期限が来れば更新が必要です。永住申請には通常、現在認められている在留期間のうち最長のもの(2027年3月31日までの申請では在留期間「3年」も最長として扱われます。同日時点で「3年」を持つ方は、2027年4月1日以降の初回の永住申請で、その在留期限までに結果が出る場合に限り同様です)の保持が求められます。
2026年10月の永住許可ガイドライン改定で、経営者の永住申請は何が変わりますか?
2026年4月1日以降の申請では、世帯年収が世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが考慮され、「家族滞在」の家族の収入は世帯年収に合算されません。2027年4月1日以降の申請では改定後のガイドラインが全面的に適用され、将来の年金見込額、本人の日本語能力(B1相当以上)、日本の制度・ルールの理解、申請前10年以内の長期の出国なども考慮されます。役員報酬の水準や海外滞在の長さが影響するため、申請時期を含めて早めに計画することをおすすめします。
個別の見込みやスケジュールは、現在の在留状況をお聞きしたうえで無料相談でご案内します。永住を見据えた在留計画は、料金・期間の目安とあわせてサービス案内もご覧ください。
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