日本で新しいビジネスを始めたい外国人の方へ。
「経営管理ビザ」の取得は、日本でのビジネスを始めるための大切な一歩です。
しかし、申請手続きはとても複雑で、必要な書類もたくさんあります。
VisaFrontierでは、皆さまがスムーズにビザを取得できるよう、申請の全体的な流れから、必要な書類、そして一番大切な「事業計画書」の作り方まで、一つ一つ丁寧に解説いたします。
このガイドが、あなたの日本でのビジネススタートのお役に立てれば幸いです。
1. 経営管理ビザとは?取得のメリットと条件
1.1 経営管理ビザの概要
「経営管理ビザ」(正式には「在留資格『経営・管理』」と言います)は、日本で会社を設立し、その会社の社長やマネージャーとして働く外国人の方がもらえるビザです。
このビザがあれば、合法的に日本に住みながら、ご自身のビジネスを進めることができます。
1.2 ビザを取得するメリット
- 日本でビジネスができる: 日本の市場で、ご自身のアイデアを具体的に形にできます。
- 安定して日本に住める: 長い期間、安心して日本に住みながら、ビジネスの計画を立てて実行できます。
- ご家族も一緒に住める: 一定の条件を満たせば、奥様や旦那様、お子様を日本に呼んで、一緒に生活できます。
1.3 ビザを取得するための主な条件(2025年改正後)
「経営管理ビザ」の取得には、以下の主要な要件を満たす必要があります。
2025年10月16日に許可基準が改正され、要件が大幅に厳格化されました。
1)資本金の額
・資本金が「30,000,000 JPY (30 million yen)」以上であること ※その資金の出所(どこからお金が来たか)も具体的に説明できるよう準備しておきましょう
個人事業主として申請することも可能ですが、事務所の賃貸費用・設備投資費・従業員給与など
事業開始に必要な費用の総額が「30,000,000 JPY (30 million yen)」以上投下されている必要があります。
2)常勤職員の雇用
・1名以上の常勤の従業員を雇用すること
資本金の額に関わらず「常勤職員」を1名雇用することが義務付けられました。
日本人、永住者、日本人配偶者等、定住者など(在留資格上の制限がない人)を常勤=フルタイムで1名以上雇用することが条件です。
パートやアルバイトは人数にカウントされません。
「技術・人文知識・国際業務」や「技能」など、就労系ビザを持っている外国人を従業員として雇用することはできますが、
ここでいう「常勤職員」としてはカウントされないため注意しましょう。
3)申請者の経歴・学歴
申請者本人が以下のいずれかを有していることが必要です。
・事業の経営や管理について3年以上の実務経験があること
・経営管理または申請する事業分野に関する博士号・修士号・専門職学位を取得していること
3年以上のマネジメント経験(自ら事業を行った経験や部長職以上の管理職としての実務など)があれば満たせます。
また、実務経験がなくても、経営管理または申請する事業分野の学位を取得していれば要件を満たせます。
4)申請者または従業員の日本語能力
・申請者または常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有すること
相当程度の日本語能力とは、「日本語教育の参照枠」でB2相当以上であり、
以下のいずれかに該当することが求められます。
- 日本語能力試験(JLPT)で「N2」以上の認定を受けている
- BJTビジネス日本語能力テストで「400点」以上取得している
- 中長期在留者として日本に20年以上在住している
- 日本の大学や大学院を卒業している
- 日本の義務教育を修了し高等学校も卒業している
5)事業計画書の実現可能性
・申請時に提出する事業計画書のおいて、計画の具体性・合理性・実現可能性が、
「経営に関する専門的な知識を有する者」の事前確認を受けていること
「経営に関する専門家」は以下の者が該当し、確認書には専門家の署名が必要です。
- 中小企業診断士
- 公認会計士
- 税理士
6)ほかにも注意すべき点
1 安定した事業所の確保
日本国内で事業を行う場所、つまり「店舗」や「オフィス」を確保している必要があります。
改正後は、事業規模に応じた十分な広さ・設備の事業所を確保する必要があるとされており、
自宅兼事務所は原則として認められなくなりました。
2 納税や社会保険への加入
経営管理ビザの更新時には、雇用する従業員の雇用保険や社会保険に加入しているか、
会社の法人税や消費税、源泉所得税などの税金をしっかりと納めているかもチェックされます。
3 事業をおこなうために必要な許認可の取得
営業許可が必要な業種では、経営管理ビザの申請前に許認可を取得しておく必要があります。
例)リサイクルショップ(古物商許可)、酒類販売(酒類販売業免許)、飲食店(飲食店営業許可など)、不動産業、免税店、人材紹介業など
4 在留中の出国期間
在留期間中に正当な理由なく長期間の出国をしている場合、日本国内での活動実態がないものとして
ビザの更新が認められないおそれがあります。
2. 申請の全体像:ビザ取得までのステップと期間
経営管理ビザの申請は、いくつかの段階を経て進みます。
全体の流れを事前に把握しておくと、計画的に準備を進めることができます。
2.1. ご相談からビザ取得までのステップ
- ビジネスのアイデアを具体的にする: 日本でどのようなビジネスをしたいか、市場調査なども含めて具体的に計画を立てます。
- 専門家へのご相談(強くおすすめします!): ビザ申請は専門的な知識が必要な場合が多いです。
行政書士オフィスセレッソのような専門家に相談することで、必要な条件や書類について具体的なアドバイスを得られ、スムーズな申請につながります。
- 会社を設立の準備をする
- 事業所を見つける: 実際にビジネスを行う店舗やオフィスを借りる契約をします。
- 定款(会社のルールブック)を作成・認証する: 会社の目的やルールなどを書いた「定款」を作り、公証役場で認証してもらいます。
- 資本金を用意する:定款認証が終わったら 「30,000,000 JPY (30 million yen)」以上のお金(ご自身の資金)を準備し、銀行口座に振り込みます。
- 会社設立の登記をする: 法務局に会社を登記する申請と会社代表印の登録をします。
これで会社が正式に設立されます。
- 税務署へ各種届出をする:会社設立が完了したら、管轄する税務署に以下の各種届出をします。
法人設立届 、給与支払い事務所等の開設届、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請、青色申告の承認申請など
- 必要な書類を集めて作成する: 後で詳しく説明するたくさんの書類を、漏れがないように集めて作ります。
特に「事業計画書」はとても重要なので、時間をかけてしっかり準備しましょう。
- 営業許可が必要な場合は許認可を取得する : 営業許可が必要な業種では、経営管理ビザの申請前に許認可を取得しておく必要があります。
例)リサイクルショップ(古物商許可)、酒類販売(酒類販売業免許)、飲食店(飲食店営業許可など)、不動産業、免税店、人材紹介業など
- 申請書を書いて提出する: 準備した書類と一緒に、あなたの会社の場所を管轄する「出入国在留管理局」に申請書を提出します。
ここまで費用と時間がかかっているので、不許可になったときのリスクを理解したうえで、許可がおりるようしっかりと確実に準備をして申請しましょう。
- 審査: 出入国在留管理局で、提出された書類に基づいて審査が行われます。
場合によっては、追加の書類を求められたり、面接があったりすることもあります。
- 結果の通知とビザ取得: 審査が許可されれば、「在留資格認定証明書」という書類が交付されます。
この書類を日本の大使館・領事館(海外から申請する場合)または地方出入国在留管理局(日本国内でビザの種類を変更する場合)に提出すると、在留カードが交付され、ビザを取得したことになります。
2.2. 標準的な審査にかかる期間
経営管理ビザの審査にかかる時間は、申請の内容や時期によって異なりますが、一般的には1ヶ月から3ヶ月くらいが目安です。
ただし、書類に不備があったり、追加の書類を求められたりすると、もっと時間がかかることもあります。
余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。
3. 申請に必要な書類リスト
経営管理ビザの申請には、申請者ご自身のこと、会社(ビジネス)のこと、お金に関する多岐にわたる書類が必要です。
一つでも足りないと、審査が遅れたり、不許可になったりする可能性があるため、漏れなく準備することが非常に重要です。
申請者・会社・資金・その他の各カテゴリに分けて以下に示します。
3.1. 申請者ご自身に関する書類
- 申請書:在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書
- 履歴書: 学歴やこれまでの仕事の経験(特に経営や管理の経験)を詳しく書いたものです。
- 職務経歴書: 以前の仕事の内容、役職、具体的な業務経験や成果などを詳しく書いたものです。
会社を経営・管理した経験がある場合は、具体的に記述し、それを証明する書類(役職がわかる書類など)も一緒に提出するとより効果的です。
- 最終学歴の卒業証明書: 大学や専門学校などを卒業したことを証明する書類です。
- 在職証明書: 以前働いていた会社での在職期間、役職、仕事の内容などを証明する書類です。
- パスポートのコピー: 顔写真があるページ、これまでの日本の出入国スタンプがあるページ、ビザが貼ってあるページなどです。
- 申請者の証明写真: 申請から3ヶ月以内に撮影された、決められたサイズ(縦4cm×横3cm)で、帽子をかぶらず、背景が無地のものです。
- 住民票(日本にお住まいの場合)
3.2. 会社(ビジネス)に関する書類
- 会社謄本(履歴事項全部証明書): 法務局で取得できます。
会社の設立状況を確認するための大切な書類です。
- 定款: 会社の目的、組織、ルールなどを書いた書類です。
公証役場で認証してもらったもののコピーが必要です。
- 株主名簿:株主に関する基本情報を記載した帳簿です。
株式会社を設立する際、作成する必要があります。
- 就任承諾書:コピーを用意します。
発起人がそのまま取締役に就任する場合は不要です。
- 取締役の報酬を決定する株主総会議事録:報酬額を証明するための書類です。
- 設立時取締役選任及び本店所在場所決議書:会社設立時に取締役会から選任された代表取締役及び本店所在場所を証明する書類です。
- 税務署に提出した書類のコピー:法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、青色申告の承認申請書、法人(設立時)の事業概況書のコピーを用意します。
※全て税務署の受付印があるもの
- 事業計画書: 最も重要な書類の一つです。
次の「事業計画書の作成」の項目で詳しく解説します。
- 事業所の賃貸借契約書:事業を行う場所の賃貸借です。自己所有の場合は建物の謄本を提出します。
- 事業所の写真: オフィスの入り口、中の様子、看板など、具体的な場所がわかる写真です。
- 会社案内、パンフレット、ウェブサイトの画面を印刷したものなど: 会社のビジネス内容を具体的に説明するための資料です。
- 役員構成を示す書類: 役員の氏名、役職などを書いた書類です。
- ビジネスに許認可が必要な場合、その許認可証のコピー:飲食店や中古品販売など、業種によっては許可が必要な場合があります。
- 決算書(会社の財務状況がわかる書類): 既存会社の役員になる場合、直近の決算報告書が必要です。
3.3. 資金に関する書類
- 会社名義の銀行通帳:コピーを用意します。
- 送金証明書: 母国にいる家族から資金を借りたときなど、外国から日本へ資本金としてお金を送金した場合、その証明が必要です。
3.4. その他の書類
- 設立趣意書: 会社をなぜ作ったのか、どのような目的があるのか、これからどうしていきたいかなどを書いた書類です。
- ビジネスを行うための宣伝広告用資料(店舗案内、商品案内、ウェブサイトの写しなど)
4. 事業計画書の作成の仕方:審査で大切なことと書く内容
事業計画書は、入管の審査官があなたのビジネスの実現可能性、安定性、そして申請者の経営・管理能力を判断するための、最も重要な資料です。
特に、2025年の改正で「事業計画書について、経営に関する専門的な知識を有する者の事前確認を受けていること」という項目が要件が加わりました。
これまで以上に、具体性、合理性、実現可能性が備わった事業計画を準備する必要があります。
4.1. 審査で特に大切に見られるポイント
- ビジネスが実現できるか、そして安定しているか: 机上の空論ではなく、きちんと市場を調べて、現実的で、これからも継続して利益を出し続けられる計画であることが求められます。
- 日本の経済に貢献できるか: 日本人の雇用を増やしたり、新しい技術やサービスを提供したりして、日本の経済に良い影響を与える可能性があるかどうかも見られます。
- 申請者ご自身の経営・管理能力: 計画されたビジネスを、申請者ご自身が適切に経営・管理できるだけの経験と知識があることを事業計画書で裏付ける必要があります。
- 資金が十分であること: 会社に投資する資本金が、ビジネスを継続するために十分であると、きちんと説明できることが大切です。
4.2. 事業計画書に書くべき具体的な内容
- 事業の概要と目的
- 会社名、代表者名、会社の所在地
- 会社を設立した理由と目的、経営の考え方
- 提供する主な商品やサービス
- 市場の調査と競争相手の分析
- ターゲットとする市場の規模、これからの成長の見込み、現在のトレンド
- 競争相手の会社を分析(良い点、弱い点)
- ご自身の会社の良い点と、競争相手との違い(なぜあなたのビジネスが成功するのか)
- ビジネスの具体的な内容
- 商品やサービスの内容、特徴、他の会社にはない独自の価値
- 商品の作り方、仕入れ先、販売方法
- 特許や商標など特別な権利を持っているか
- 宣伝の方法(マーケティング戦略)
- お客さまを増やすための具体的な方法(広告、SNSの活用、営業活動、広報など)
- 商品の値段の決め方、キャンペーンの計画
- 会社の組織と雇用計画
- 役員(社長、取締役など)の構成とそれぞれの役割
- 従業員を雇う計画(日本人従業員を何人、どんな役割で雇うかなど)
- 利益見込みと資金計画
- 売上、費用、利益の予測: 少なくとも3年〜5年くらいの期間で、月ごと、年ごとの具体的な数字目標を詳しく書きます。その数字の根拠もはっきり示しましょう。
- 損益分岐点分析: どれくらいの売上があれば、利益が出始めるのかを説明します。
- 資金調達計画:資金がどこから来たのか、銀行からの借り入れ、ご自身の資金の内訳など、お金の出所と集め方を具体的に書きます。
- 資金の使い道: 設備や器具、備品などを買うお金、会社の運転運営費用、社員の給料、宣伝費用など、お金を何に使うのかを詳しく書きます。
- 資金繰り表(お金の流れの予測): ビジネスを始めてからのお金の出入りを予測し、お金が足りなくなることがないことを示します。
- ビジネスリスクと対策
- 考えられるビジネス上のリスク(市場の変化、競争が激しくなること、法律が変わること、災害など)
- これらのリスクに対して、どのように準備し、どのように対応するかを具体的に書きます。
5. 申請書の記入と提出、その後の流れ
5.1. 申請書を書いて提出するときの注意点
- 正確な情報: 全ての項目を正確に、他の提出書類と内容が食い違わないように記入します。虚偽の情報を書くことは絶対に避けましょう。
- 具体的に: ビジネスの内容や計画に関する項目は、できるだけ詳しく記述します。
- 読みやすさ: 丁寧に、そして分かりやすく記入しましょう。
- 提出する場所: 会社の場所を管轄する「出入国在留管理局」に提出します。
オンライン申請も可能です。
事業計画書は、「誰が読んでも理解できる」「客観的なデータに基づいている」「実現できる可能性が高い」という点が非常に大切です。不明瞭な点やあいまいな表現は避け、具体的な数字や根拠を提示しましょう。
5.2. 審査期間と結果の通知
申請書を提出した後、出入国在留管理局による審査が始まります。
追加の書類をお願いされること: 審査の途中で、提出した書類だけでは判断が難しい場合や、さらに詳しい情報が必要な場合に、追加で書類の提出や説明を求められることがあります。このとき、迅速かつ的確に対応することが、審査をスムーズに進めるための大切なポイントです。
6. まとめ:あなたのビジネスを日本で成功させるために
経営管理ビザの申請は、多くの時間と労力を要する複雑なプロセスです。しかし、適切な準備と計画を立てることで、成功の可能性を大きく高めることができます。
特に、事業計画書はあなたのビジネスの「顔」とも言えるくらい大切な書類です。入念に準備し、具体的な内容で、あなたのビジネスが日本で成功する可能性を最大限にアピールしましょう。
VisaFrontierは、経営管理ビザ申請の専門家として、あなたの日本でのビジネススタートを全力でサポートいたします。ご不明な点やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。